Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

五

父は京子の女らしい心持に、うごかされたと見え、京子が箱根へ行くことをゆるした。

五

最初の電報は、二人ともキトクと報じていた。そのときは、京子は完全に自分がたたきつけられたことを感じた。二人が、とうてい自分のどうすることも出来ない世界へ行って、相愛の凱歌をあげているのを感じた。そして彼女は、一生二人の凱歌を耳にして、生きて行かなければならぬような気がした。それは彼女としても、たまらない苦痛だった。だが、その次の電報は、倭文子の死を報じ、村川のタスカルミコミを伝えた。京子は、それによって蘇った。二人の自分を征服しようとした計画は、半ば失敗したのだ。彼等の勝利は、完全ではないのだ。いま、まさしく挫折したのだ。

「それご覧なさい!」

と、京子は心の中で、つぶやいた。彼女の良心を押しのけて、低く低くつぶやいた。

出発する間際になっては、村川のケイカヨロシと報ずる電報が来た。京子の心は明るくなった。うなだれていた彼女の鶏冠は、だんだん元のように、立ち直り始めた。

京子の父が、政党関係から警察方面へ早く手をまわしたので、事件は新聞社の通信員の耳目に触れることを完全に防いだ。