Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
ふと見ると、そこらに、まだ割れていない栗の実だの、風に叩きつけられて死んでいる小鳥の死骸などが眼についた。
朝飯に、伊織は、そんな物を火に焙って喰べていた。
午頃、武蔵は帰って来た。それから半刻ほどして、また後から、蓑笠を着た村の人々がそろって来た。そして、お蔭で早く出水が退いたとか、病人が喜んでいるとか、かわるがわる礼をのべ出した。――いつも後始末では自分自分のことにばかり懸って、争いになるのだが、今度は仰っしゃる通り、村人が一致して、誰の田だの、彼の家だのという分け隔てなく、力を協せてやることにしたので、案外早く被害の取返しもつきそうで――などとも、中の老百姓が、礼を繰返していった。
「あ。そんな指図をしに行ったのか」
と、伊織は、やっと、武蔵が夜明けに出て行った用事が分った。
伊織は、武蔵のためにも、死んだ小鳥の毛をむしって焙っておいたが、
「食い物は、わしらがとこに、幾らでもあるで」
と、甘い物、辛い物、何くれとなく運んで来る。
伊織の好きな餅もあった。
死んだ鳥の肉は不味かった。自分だけの身を考えて、あわててそんな死肉で腹を膨らましてしまった伊織は後悔した。