Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
だが、武蔵が秩父へ立つ朝、村人が言葉をつがえたとおり、その日から、壊れた草庵は、大勢して建て直しにかかっていた。
――で、もう屋根と柱だけは新しくなっていた。
武蔵はまだ帰らないのに、その壁も戸もない屋根の下に、今夜は燈火がついている。きのう江戸表から水見舞だといって来た沢庵が、武蔵の帰るまで待とうといって、独り泊っているのである。
独りということはしかしこの世の中ではあり得ないこととみえる。沢庵がここにぽつねんと灯を点していると、ゆうべはまったく独りで過ぎたが、こよいはもうその灯影を見かけて、一名の旅の薦僧が、夕飯を食べますので、湯をいただかせてくれといって立ち寄った。
さっき雑木林のほうまで聞えた尺八は、この老いたる薦僧が沢庵へ聞かせたものであろう。時刻もちょうど、彼が柏の葉につつんだ弁当の飯粒を嘗め終った頃であったから。
大事
一
眼病なのか、老眼で衰えきっているのか、薦僧は、何をするにも手さぐりであった。
べつに沢庵から望んだわけでもないのに、一曲ふきましょうといって吹いた尺八も、素人の手すさびのように下手だった。
けれど沢庵は、こういうことをその間に感じた。