Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
だが、それが不幸か僥倖かは、後になってのみ分ることで、人生の事々はすべて、回顧される時にならなければ、ほんとの薄縁とも不幸ともいわれないものであろう。
竹筒の水と松明とを持って早速やって来た百姓は、きのうも今日も、この草庵の修繕に手伝った村の者の一人で、何事があったのかと不審り顔に、沢庵の後について、林の中へはいって行った。
やがてすぐ、その松明の赤い明りは、先に薦僧の丹左が見出したものを同じ所に見出した。――けれどつい先刻と今とは、その状態においては少し相違があって、丹左が発見した時は、城太郎も伊織も、打重なって仆れていたが、今見ると、城太郎は蘇生してそこに呆然と坐っており、そして側に仆れている伊織を手当てして訊きたいことを訊いたものか、このまま逃亡してしまったほうがよかろうか――と、迷ってでもいたらしく伊織の体へ片手をかけながら、じっと考えこんでいたのであった。
――そこへ松明の光と人の跫音を感じたので、城太郎は忽ち夜の獣のような鋭くて迅い姿勢のもとに、いつでもぱっと起てるような身構えをしかけた。
「……おや?」
沢庵の立った側から、ぷすぷすと燃える松明を、百姓のおやじが突き出していた。