Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

こんな沢山な侍たちの中に交じって、一体どこへ行く所なのだろうか。

いや、そんなことは、伊織に考えている遑はない。彼はただ、ぎょっとして、ばばが自分をどうする気かと恐れていた。

「童よ。おぬし、伊織とかいうたの。――いつぞやはこの婆に、ようも酷しいまねをしやったな」

「…………」

「これ」

杖の先で、ばばは、彼の肩をとんと突いた。伊織は戦闘的に身を直したが、部落の中にはいっぱいな侍がいる。それが皆このばばの味方になったら敵うはずはないと思って、眼に涙をたたえて怺えていた。

「武蔵は、よい弟子ばかり持つことわいな。おぬしも、その一人かよ。ホホホホホ」

「な、なんだと……」

「よいわ。武蔵のことは、このあいだ北条どのの息子にも、口の酢くなるほどいうたあげくじゃ」

「お、おいらは、おまえなんかに用はないや。帰るんだ。帰るんだっ」

「いいや、まだ用はすまぬ。――いったい今日は、誰の言附でわし達の後を尾行て来やったか」

「だれが、てめえなどの、後に尾いてくるものか」

「口ぎたない餓鬼よ、汝れの師匠は、そういう行儀を教えてか」

「よけいなお世話だい」

「その口から、泣きほざかぬがよいぞ、さあ来やい」