Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
仰っしゃる通り、一日箒を持っていたので、掌にまめができました」
「ホ、ホ、ホ、ホ。……よい土産のう」
「けれどお蔭で、きょう一日は、何ともいえぬ清々しい心で送りました。私たち母子の貧しい御奉仕も、天地の御心にかなったしるしでございましょう」
「いずれ、こよいももう一夜、御本房に泊めていただくのじゃから、後はあしたにして、そろそろ戻りましょうかの」
「暗くなりかけました。足もとをお気をつけなさいまし……」
いいつつ、息子は、母の尼の手をとって、観月亭の小道から、権之助と伊織のやすんでいる金堂の横へ降りて来た。
人もなしと思っていた黄昏れの金堂の縁に、ふと、人影が起ったので、老尼もその息子も、
「……誰?」
と、驚いたように、立ちどまったが――老尼はすぐ眼元にやさしい笑みをたたえ、
「御参籠でございますかの。今日も一日、よいお日でございましたの」
と、旅の者と見て、行きずりの挨拶をした。
権之助も、辞儀して、
「はい。母の供養にと詣でましたが、あまり静かな夕暮なので、何か、空虚になっておりました」
「それはそれは御孝心な」
と、いいながら老尼は、伊織のすがたへ眼を移して、