Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

「明後日というても、もう明日一日だからのう」

およそここにいる縁故や門流の顔ぶれを見ると、武蔵の人物を、知ると知らないに関らず、何かの気持から、武蔵を敵視していない者はない。

わけて、吉岡の門流を汲む者は、諸国へ亘って、非常な数であるから、今もって、一乗寺下り松の怨みは、その人々の胸にある。

その他、武蔵が十年の驀らな生活の間に武蔵自身も知らぬ敵が、ずいぶん出来ていた。その全部でなくても、一部の人間は、何らかの機縁から、武蔵の反対側にある小次郎の門をくぐっていく。

「上州から、お客でござる」

若侍が、また一名の客を玄関から大勢のいる広間へ連れて来た。

「自分は、一ノ宮源八と申す者で――」

と、質朴な客は、大勢へ向って、挨拶し、知らぬ顔の中に交じって、慎んでいた。

「ほ。上州から」

と、人々は、その遠路をねぎらうように、源八を見まもった。

源八は上州白雲山のお神札をうけて来たから、これを神棚へ上げておいて下さいと門人へ渡した。

「御祈願までして――」

と、並居る者は、その奇特なこころざしに、いよいよ意を強うして、

「十三日は、晴天じゃろう」

と、廂ごしに、空を見た。