Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
「へ。ああ、奥のお客様のことで。――いや今朝がたも、訪ねて見えたお人がございましたが」
「長岡様のお使いだろう」
「左様で」
「その他には」
「さあ? ……」
と、頬を抑えて、
「てまえが会ったのではございませんが、昨晩、大戸を卸してから、穢い身なりをした眼のするどい旅の男が、樫の杖をついて、のっそりはいって来て――武蔵先生にお目にかかりたい。先生には下船以来、当家に御逗留と承るが――といって、しばらく帰らなかったそうでございますよ」
「誰がしゃべったのだ。あれほど、武蔵様の身については口止めしておいたのに」
「何しろ、若い衆たちは、きょうのことがございますので、ああいうお方が、御当家に泊っているということは、何か自分たちの自慢のように、つい口へ出てしまうらしいので――てまえも厳しく申し聞かせてはございまするが」
「そして、ゆうべの、樫の杖をついた旅の人とかはどうしたのか」
「総兵衛どのが、言い訳に出まして、何かのお聞き違いでございましょうと――どこまでも武蔵様はいないことに押し通して、やっと、帰したそうでございます。――誰かその時、大戸の外にはまだ二、三人も――女子の影も交じって佇んでいたとやらいうておりましたが」