Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんなご斟酌は……」

「いやそれに、この通り、体も恢復いたしたから、今日はもうお暇をしようと思う」

「え、お帰りですって」

「お礼には、後日改めてお伺いする」

「ま……お待ち下さい。ちょうど今日は、武蔵様も外へ出ていらっしゃいますから、帰った上で」

「武蔵どのにも、種々と手厚いお世話になったが、戻ったらよろしくいってくれい。――この通り歩行などにはもう少しも不自由はない程に」

「でも、半瓦の家にいる無法者たちは、いつぞやの晩、菰の十郎と、お稚児の小六という者を、あなたのために斬り殺されたため、それを恨んで、あなたが一歩でも此家の軒下を出たら喧嘩をしかけようと、待ち構えておりまする。それで毎日毎夜、あの通りちょいちょい様子を覗きに来ておりますのに、それを承知で、お一人でここから帰すことはできませぬ」

「何の、菰やお稚児を斬ったのは、こちらには、堂々と理由のあること。彼らのうらみは逆恨みじゃ。それを、事を構えて仕懸けて参れば――」

「と、いっても、まだその体では心もとのうござりまする」

「ご心配は忝いが大事はござらぬ。御家内はどこにおられるか。御家内へも礼を申して……」