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Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

伝七郎を迎える前から、

(武蔵へ二度の試合を申しやって、雪辱を試みるか)

(それとも、このまま自重策をとるか)

というこう二つの意見は、古参門下の中にも対立していて、今も伝七郎の意思に同意の顔つきを示す者、暗に、清十郎の考えに共鳴しているらしい者とふたいろあった。

――だが、

(恥は一時のこと、万一これ以上不覚をかさねることでもあっては)

というような隠忍主義は、清十郎なればこそいえるのであって、古参たちは、胸に思っても、口に出せないことだった。

殊に、覇気満々な伝七郎の前では、なおさらである。

「――そんな女々しい、卑怯未練な兄貴の言葉を、いくら病中とはいえ、素直に聞いていられるか」

ここへ運び移されて来た杯を取って、めいめいに酒をつがせ、伝七郎は、きょうから兄に代って自分が経営にあたるこの道場に、まず自分流の気分を醸そうとするらしい剛毅な風を見せた。

「おれは、断言するぞ、武蔵を打つと! ……。兄がなんといおうと、おれはやる。武蔵をこのまま抛っておいて、家名大事に、道場の維持を考えて行けなどという兄貴のことばは、いったい武士の吐くことばか。そんな考えだから、武蔵に敗れるのは当然だ。