Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

武蔵はそれを側で聞いて、

「光悦どの、それではこうして戴きましょう。万一のことでもあって、あなたへお怪我でもさせたり、累を及ぼしては、申し訳がありませぬゆえ、一足先におひとりで」

「いや、何」

光悦は一笑に附して、

「そんなご斟酌は要りません。吉岡の侍と分っていればなおさらのことです、私が怖がる意味は少しもありません。……さあまいりましょう」

武蔵を促して、門の外へ出たが、光悦はまた、ふと、潜りの内へ顔を見せて、

「母御様、母御様」

「忘れ物か」

「いいえ、今のことですが、もしあなた様が気がかりに思し召すなら、灰屋どのへ使いをやって、今夜のお誘いは断りまするが、……」

「なんの、わしが案じたのは、そなたの身より、武蔵どのに万一のことでもないかと懸念したのじゃ。――その武蔵どのがもう先へ出て待っているものを、止めてもかいはあるまいし、折角、灰屋様のお誘いでもある。機嫌よう、遊んで来なされ」

光悦は、母の閉めた潜り戸に、もうなんの心がかりもなかった。待っていた武蔵と肩を並べて、川ぞいの片側町を歩きながら、

「灰屋殿の住居は、この先の一条堀川なので、ちょうど途中、支度して待っているそうですから、ちょっと立ち寄って行きましょう」