Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
いうまでもなく、遠く離れて、かなり楽観的に、勝負のつくのを待っていた親類の壬生源左衛門やその他の門人たちだった。
「ヤ! 太田黒まで」
「御舎弟っ」
「伝七郎様っ」
呼んでも、手当しても、もういけないことはすぐ分った。
太田黒兵助の方は、右の耳から横へかけられた太刀が口の中まで斬られているし、伝七郎の方は、頭の頂上からやや斜めに鼻ばしらを少し外れて、眼の下の顴骨まで斬られている。
ともに、たった一太刀だった。
「……だ、だからわしが、いわんことではない。敵を侮るからこんなことになったのじゃ。……伝、伝七郎っ、これっ、これっ、伝七……」
壬生の源左衛門叔父は、甥のからだを抱いて、愚を知りながら、死骸に向って悔やんでいた。
いつのまにかその人々の踏みつけている雪はいちめん桃色に変っていた。――自分も死者の方にばかり気をとられていたが、壬生の源左老人は、ただうろうろと度を失っている他の者に腹が立って、
「相手はどうしたっ」
と、呶鳴りつけた。
その相手の所在を、他の者も気にとめてないわけではなかったが、いくらキョロキョロしても、武蔵の影は、もう自分達の視野からは見出せなかったので、