Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
無数の顔が、彼を囲んで、彼の一言半句も聞き洩らすまいとするように犇めいた。
「おおかた武蔵の助太刀のものたちが、どこかに屯していて、彼を待ち合せ、それと合してここへ襲せて来るつもりではないかと思う」
「ウウウム。……それはありそうなことじゃ」
源左老人が呻くと、
「しからば、ここへ来るのも、もう間はないな」
十郎左衛門は、そういうと、持ち場を離れたり、樹の上から降りて集まって来た味方へ、
「戻れ戻れ。備えを崩しているところへ、武蔵方が不意に虚を衝いて来ようものなら、出鼻に不覚を取ってしまう。どれほどの助太刀を率き具して参るかはしらぬが、いずれ多寡の知れたもの。手筈を過たず討ち取ってしまえ」
「そうだ」
めいめいも、気づいて、
「待ちくたびれて、心に弛みの起る時が油断だ」
「部署につけ」
「おう、抜かるな」
いい交わしながらばらばらと分れて、再び、藪の中や樹蔭や、また、飛道具を携えて梢の上へ影をかくした。
小次郎はふと、下り松の根方に、藁人形のように立っている源次郎少年を見て、
「眠いか」
と訊いた。
源次郎は強く、
「ううん」
首で否定して見せた。
その頭を撫でてやりながら小次郎は、