Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
芸術の理解などは程度がひくいものと相手をきめてかかって、武蔵も低く見ていたのだった。ところが案外、いい加減に聞いていられないことをいい出しそうなので、急に女のような優しくて厚い唇が、難しく大きく緊まった。
「――箆の痕を、武蔵どのは、どう思いますか」
「するどい!」
「それだけですか」
「いや、もっと複雑だ。非常に太っ腹ですな、この作者は」
「それから」
「刀でいえば、相州物のように、斬ればどこまでも切れる。けれど麗しいにおいでつつんでおくことを忘れない。また、この茶碗の全体のすがたからいえば、非常に素朴には見えるが、気位といいましょうか、どこかに王侯のような尊大な風があって、人を人とも思わないところもある」
「ウウム……なるほど」
「ですから、この作者は、人間としても、ちょっと底がわからないような人物だと私は思う。しかし、いずれ名のある名匠には違いありますまい。……ぶしつけですが、伺います、いったいなんという陶工ですか、この茶碗を焼いた人は」
すると光悦は、厚でな盃のふちみたいな唇を綻ばせて、よだれを湛えながらいった。
「わたくしですよ。……ハハハハ、わたくしがいたずらに焼いた器ですよ」