Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
また城太さんのように、歌を謡っているのもあれば、大勢して、世を怒っている樹の群れもあるでしょう。石でさえ、聞く人が聞けば物をいっているというくらいですもの、なんで樹にもこの世の生活がないといえましょう」
「そういわれてみると、そんな風にも見えてくるなあ。――するとこの合歓の木なんか、どう思っているんだろう」
「わたしから見ると羨ましい樹に見えます」
「どうして」
「長恨歌を知ってるでしょう。白楽天という人の作った詩」
「ああ」
「あの長恨歌の終りのほうに――天に在っては願わくは比翼の鳥と作らん、地に在っては願わくは連理の枝と為らん――という句があるでしょ。あの連理の枝というのは、こんな樹のことをいうのじゃないかしらと、さっきから思っているんですの」
「連理って? ……何」
「枝と枝、幹と幹、根と根、二つの物でありながら、一つの樹のように仲よく立って、天地の中に、春や秋を楽しんでいる樹のこと」
「なんだあ……自分と武蔵様のことをいってるんじゃないか」
「いけない、城太さん」
「勝手におしよ」
「――夜が明けてきた。なんという美しい今朝の雲だろう」
「鳥がお喋舌をし始めたね。