Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
「何ぞ、社家に御用事でもあるのか」
咎めるような眼つきでいう。
そこで武蔵が、わけを話して、一応怪しい者でないことを弁明すると、白丁を着ているその男は、
「あははは。あははは」
腹を抱えて笑い止まないのである。
憤っとして武蔵が、何を笑うかというと、その男はなお笑って、
「あんたは、そんなことで、よう旅が出来なさるの。なんであの道中の蠅みたいな悪人足が、先に銭を取って、正直に一日中、そんなお人を探して歩いているものか」
と、いうのであった。
「では、手分けをして、探すといったのは嘘であろうか」
武蔵が糺すと、こんどはむしろ気の毒になったように、その男も真顔になっていった。
「お前さんは、騙されたのじゃ。――道理で、きょう十人ばかりの人足が、裏山の雑木林で、昼間から車座になって、酒をのみながら博奕などしておった。おおかた、その連中であったかもしれぬ」
それから、その男は、この諏訪塩尻あたりの往還で、旅客が人足の悪手段にのって路銀をせしめられる屡の実例を幾つも挙げて、
「わたる世間も同じ事ですよ、これからはよく御用心なさるがよい」
と、空になった飼糧桶をかかえて、彼方へ行ってしまった。