Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
「どうして」
「おじさんは、町人だろ。おいらは武士になりたいんだもの」
「奈良井の大蔵も、根を洗えば、町人ではない。きっと、偉い武士にさせてやるから、わしの養子になれ」
どうやら本気らしいので、城太郎は身ぶるいを覚えながら、
「なぜおじさんは、急にそんなことをいい出すのだい?」
――すると大蔵は、いきなり城太郎の手を引き寄せて、ぎゅっと、羽交締めに抱き込みながら、彼の耳へ、唇をつけて、小声にいった。
「見たな! 小僧」
「……え?」
「見たろう!」
「……な、なにをさ」
「ゆうべ、おれがしたことを」
「…………」
「なぜ見た!」
「…………」
「なぜひとの秘密を見る!」
「……ごめんよ、おじさん、ごめんよ。誰にもいわないから」
「大きな声を出すな。もう見てしまったことだから、叱言はいわぬ。その代りに、わしの子になれ。それが嫌なら、可愛い奴だが、殺してしまわなければならぬのだ。――どうだ、どっちがいい?」
五
ほんとに殺されるかも知れないと思った。生れて初めて恐いというものに出会った気持であった。
「ごめんよ、ごめんよ。殺しちゃ厭だい。死ぬのは厭だい」
抑えられた雲雀のように、城太郎は、大蔵の腕の中で軽くもがいた。