Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
その愛し方が、すこし、烈しすぎたことは自分でも認めている。しかし、その愛し方が、ふつうの人よりも違っていることは、彼自身では気づき得ないのであった。
女性に対しては、小次郎の愛し方が、どういうふうに人とは違っているかという点を知ろうとするならば、他人ならば、彼の剣にあらわれる性格――つまり太刀すじというものを気をつけて観ていると、やや解けて来るのである。
いったい、この小次郎という者は、鐘巻自斎の手許で、子飼いからの修行を受けている頃から、もう、鬼才だとか、麒麟児だとかいわれていただけに、普通の人とは、まるで剣の質が変っていた。
それを一口にいうと「粘り」であった。彼の太刀は実によく「粘る」ところに先天的な特色があった。自分以上の力の者に向えば向うほど、その「粘力」を出すのである。
もちろんこの時代の剣は、兵法として、手段は問わないのであるから、どんなふうに粘っても、それを、汚いとは誰もいわなかった。
(あいつに、かかられては、かなわん)
と怖れをなす者はあっても、小次郎の太刀を卑怯だという者はない。
たとえば、彼は少年の頃一度、日頃憎まれていた兄弟子たちから木剣で手痛く打ち伏せられて、気絶してしまったことがある。