Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
駕かきも、駕に添って駈けて来る連中も、綿のように疲れきっていて、口から心臓を吐き出してしまいそうな呼吸づかいなのである。
「六条か、ここは」
「六条の松原」
「もう一息」
携えている提燈には、大坂の傾城町でつかう太夫紋がついている。しかし、駕の中には、駕からはみ出しそうな大男が乗っているし、それにつき従ってヘトヘトになっている徒歩の者もみな勇壮な若者どもばかりであった。
「御舎弟、四条はもうついそこでござりますぞ」
一人が駕へいったが、駕の中の巨漢は、張子の虎のようにガクガク首を振りながら、快げに居眠っているのだった。
そのうちに、
「あっ、落ちる」
と、介添の者が駕の外から居眠りを抑えると、この男、とたんに大きな眼をあいて、
「アア喉が渇いた。――酒をくれ、竹筒の酒をよこせ」
という。
ちょっとの折でもあれば、みな休みたい気持だったので、
「降ろせ、暫時」
いうが早いか、
「ううう――」
抛り出すように駕を地へおろして、駕かきも周りの若者輩も、いっせいに手拭をつかみ、魚の肌みたいに濡れている胸毛の汗を拭く、顔をこする。
「――伝七郎様、もう沢山はありませぬが」
駕へ竹筒の酒を渡すと、受け取って、それを一息に飲みほしたあげく、