Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
「あたし怖いわ、そんなものを見るのは」
お延は実際怖そうに眉を動かした。
「だからお前はここに待っといでよ。わざわざ手術台の傍まで来て、穢ないところを見る必要はないんだから」
「でもこんな場合には誰か身寄のものが立ち合わなくっちゃ悪いんでしょう」
津田は真面目なお延の顔を見て笑い出した。
「そりゃ死ぬか生きるかっていうような重い病気の時の事だね。誰がこれしきの療治に立合人なんか呼んで来る奴があるものかね」
津田は女に穢ないものを見せるのが嫌な男であった。ことに自分の穢ないところを見せるは厭であった。もっと押しつめていうと、自分で自分の穢ないところを見るのでさえ、普通の人以上に苦痛を感ずる男であった。
「じゃ止しましょう」と云ったお延はまた時計を出した。
「お午までに済むでしょうか」
「済むだろうと思うがね。どうせこうなりゃいつだって同なじこっちゃないか」
「そりゃそうだけど……」
お延は後を云わなかった。津田も訊かなかった。
看護婦がまた階子段の上へ顔を出した。
「支度ができましたからどうぞ」
津田はすぐ立ち上った。お延も同時に立ち上ろうとした。
「お前はそこに待っといでと云うのに」