Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
六十九
駄々ッ子じゃあるまいし。宅にいた時分、いくら叔父さんに調戯われたって、そんなに泣いた事なんか、ありゃしないくせに。お嫁に行きたてで、少し旦那から大事にされると、すぐそうなるから困るんだよ、若い人は」
お延は唇を噛んで黙った。すべての原因が自分にあるものとのみ思い込んだ叔父はかえって気の毒そうな様子を見せた。
「そんなに叱ったってしようがないよ。おれが少し冷評し過ぎたのが悪かったんだ。――ねえお延そうだろう。きっとそうに違ない。よしよし叔父さんが泣かした代りに、今に好い物をやる」
ようやく発作の去ったお延は、叔父からこんな風に小供扱いにされる自分をどう取り扱って、跋の悪いこの場面に、平静な一転化を与えたものだろうと考えた。
六十九
ところへ何にも知らない継子が、語学の稽古から帰って来て、ひょっくり顔を出した。
「ただいま」
和解の心棒を失って困っていた三人は、突然それを見出した人のように喜こんだ。そうしてほとんど同時に挨拶を返した。
「お帰んなさい」
「遅かったのね。先刻から待ってたのよ」
「いや大変なお待兼だよ。継子さんはどうしたろう、どうしたろうって」
神経質な叔父の態度は、先刻の失敗を取り戻す意味を帯びているので、平生よりは一層快豁であった。