Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
百六
百六
「なに兄さんが強情なんですよ」とお秀が云い出した。嫂に対して何とか説明しなければならない位地に追いつめられた彼女は、こう云いながら腹の中でなおの事その嫂を憎んだ。彼女から見たその時のお延ほど、空々しいまたずうずうしい女はなかった。
「ええ良人は強情よ」と答えたお延はすぐ夫の方を向いた。
「あなた本当に強情よ。秀子さんのおっしゃる通りよ。そのくせだけは是非おやめにならないといけませんわ」
「いったい何が強情なんだ」
「そりゃあたしにもよく解らないけれども」
「何でもかでもお父さんから金を取ろうとするからかい」
「そうね」
「取ろうとも何とも云っていやしないじゃないか」
「そうね。そんな事おっしゃるはずがないわね。またおっしゃったところで効目がなければ仕方がありませんからね」
「じゃどこが強情なんだ」
「どこがってお聴きになっても駄目よ。あたしにもよく解らないんですから。だけど、どこかにあるのよ、強情なところが」
「馬鹿」
馬鹿と云われたお延はかえって心持ち好さそうに微笑した。お秀はたまらなくなった。
「兄さん、あなたなぜあたしの持って来たものを素直にお取りにならないんです」