Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
三十九
「何だって締め出しなんか喰わせたんだい。もう帰らないとでも思ったのか」
「いいえ、さっきから、もうお帰りか、もうお帰りかと思って待ってたの。しまいにあんまり淋しくってたまらなくなったから、とうとう宅へ手紙を書き出したの」
お延の両親は津田の父母と同じように京都にいた。津田は遠くからその書きかけの手紙を眺めた。けれどもまだ納得ができなかった。
「待ってたものがなんで門なんか締めるんだ。物騒だからかね」
「いいえ。――あたし門なんか締めやしないわ」
「だって現に締まっていたじゃないか」
「時が昨夕締めっ放しにしたまんまなのよ、きっと。いやな人」
こう云ったお延はいつもする癖の通り、ぴくぴく彼女の眉を動かして見せた。日中用のない潜り戸のを、朝外し忘れたという弁解は、けっして不合理なものではなかった。
「時はどうしたい」
「もう先刻寝かしてやったわ」
下女を起してまで責任者を調べる必要を認めなかった津田は、潜り戸の事をそのままにして寝た。
三十九
あくる朝の津田は、顔も洗わない先から、昨夜寝るまで全く予想していなかった不意の観物によって驚ろかされた。
彼の床を離れたのは九時頃であった。