Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

百十五

表はいつか風立った。洗濯屋の前にある一本の柳の枝が白い干物といっしょになって軽く揺れていた。それを掠めるようにかけ渡された三本の電線も、よそと調子を合せるようにふらふらと動いた。

百十五

下から上って来た医者には、その時の津田がいかにも退屈そうに見えた。顔を合せるや否や彼は「いかがです」と訊いた後で、「もう少しの我慢です」とすぐ慰めるように云った。それから彼は津田のためにガーゼを取り易えてくれた。

「まだ創口の方はそっとしておかないと、危険ですから」

彼はこう注意して、じかに局部を抑えつけている個所を少し緩めて見たら、血が煮染み出したという話を用心のためにして聴かせた。

取り易えられたガーゼは一部分に過ぎなかった。要所を剥がすと、血が迸しるかも知れないという身体では、津田も無理をして宅へ帰る訳に行かなかった。

「やッぱり予定通りの日数は動かずにいるよりほかに仕方がないでしょうね」

医者は気の毒そうな顔をした。

「なに経過次第じゃ、それほど大事を取るにも及ばないんですがね」

それでも医者は、時間と経済に不足のない、どこから見ても余裕のある患者として、津田を取扱かっているらしかった。