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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

百二十

小林は惚けた顔をしてすまし返った。

「何僕と? 僕はちっとも君と喧嘩をする気はないよ」

「もう解ったというのに」

「解ったらそれでいいがね。誤解のないように注意しておくが、僕は先刻からお秀さんの事を問題にしているんだぜ、君」

「それも解ってるよ」

「解ってるって、そりゃ京都の事だろう。あっちが不首尾になるという意味だろう」

「もちろんさ」

「ところが君それだけじゃないぜ。まだほかにも響いて来るんだぜ、気をつけないと」

小林はそこで句を切って、自分の言葉の影響を試験するために、津田の顔を眺めた。津田ははたして平気でいる事ができなかった。

百二十

小林はここだという時機を捕まえた。

「お秀さんはね君」と云い出した時の彼は、もう津田を擒にしていた。

「お秀さんはね君、先生の所へ来る前に、もう一軒ほかへ廻って来たんだぜ。その一軒というのはどこの事だか、君に想像がつくか」

津田には想像がつかなかった。少なくともこの事件について彼女が足を運びそうな所は、藤井以外にあるはずがなかった。

「そんな所は東京にないよ」

「いやあるんだ」

津田は仕方なしに、頭の中でまたあれかこれかと物色して見た。