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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

百四十五

「もっと若い綺麗な人が、どんどん見舞に来てくれると病気も早く癒るんだがな」と云って看護婦を笑わせた彼は、すぐ彼女から冷嘲かし返された。

「でも毎日女の方ばかりいらっしゃいますね。よっぽど間がいいと見えて」

彼女は小林の来た事を知らないらしかった。

「昨日いらしった奥さんは大変お綺麗ですね」

「あんまり綺麗でもないよ。あいつは僕の妹だからね。どこか似ているかね、僕と」

看護婦は似ているとも似ていないとも答えずに、やっぱりにやにやしていた。

百四十五

それは看護婦にとって意外な儲け日であった。下痢の気味でいつもの通り診察場に出られなかった医者に、代理を頼まれた彼の友人は、午前の都合を付けてくれただけで、午後から夜へかけての時間には、もう顔を出さなかった。

「今日は当直だから晩には来られないんだそうです」

彼女はこう云って、不断のような忙がしい様子をどこにも見せずに、ゆっくり津田の膳の前に坐っていた。

退屈凌ぎに好い相手のできた気になった津田の舌には締りがなかった。彼は面白半分いろいろな事を訊いた。

「君の国はどこかね」

「栃木県です」

「なるほどそう云われて見ると、そうかな」