Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
百六十三
これだけでも一通り以上の退屈である上に、津田を厭がらせる積極的なものがまだ一つあった。彼は自分の眼前に見るこの二人、ことに小林を、むやみに新らしい芸術をふり廻したがる半可通として、最初から取扱っていた。彼はこの偏見の上へ、乙に識者ぶる彼らの態度を追加して眺めた。この点において無知な津田を羨やましがらせるのが、ほとんど二人の目的ででもあるように見え出した時、彼は無理にいったん落ちつけた腰をまた浮かしにかかった。すると小林がまた抑留した。
「もう直だ、いっしょに行くよ、少し待ってろ」
「いやあんまり遅くなるから……」
「何もそんなに他に恥を掻かせなくってもよかろう。それとも原君が食っちまうまで待ってると、紳士の体面に関わるとでも云うのか」
原は刻んだサラドをハムの上へ載せて、それを肉叉で突き差した手を止めた。
「どうぞお構いなく」
津田が軽く会釈を返して、いよいよ立ち上がろうとした時、小林はほとんど独りごとのように云った。
「いったいこの席を何と思ってるんだろう。送別会と号して他を呼んでおきながら、肝心のお客さんを残して、先へ帰っちまうなんて、侮辱を与える奴が世の中にいるんだから厭になるな」