Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
九十七
そのくせ口では双方とも底の底まで突き込んで行く勇気がなかった。互いの忖度から成立った父の料簡は、ただ会話の上で黙認し合う程度に発展しただけであった。
九十七
感情と理窟の縺れ合った所を解ごしながら前へ進む事のできなかった彼らは、どこまでもうねうね歩いた。局所に触るようなまた触らないような双方の態度が、心のうちで双方を焦烈ったくした。しかし彼らは兄妹であった。二人共ねちねちした性質を共通に具えていた。相手の淡泊しないところを暗に非難しながらも、自分の方から爆発するような不体裁は演じなかった。ただ津田は兄だけに、また男だけに、話を一点に括る手際をお秀より余計にもっていた。
「つまりお前は兄さんに対して同情がないと云うんだろう」
「そうじゃないわ」
「でなければお延に同情がないというんだろう。そいつはまあどっちにしたって同なじ事だがね」
「あら、嫂さんの事をあたし何とも云ってやしませんわ」
「要するにこの事件について一番悪いものはおれだと、結局こうなるんだろう。そりゃ今さら説明を伺わなくってもよく兄さんには解ってる。だから好いよ。兄さんは甘んじてその罰を受けるから。