Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
十六
文句はとにかく、こんな字ではとうてい成功する資格がないようにも思った。最後に、よし成功しても、こっちで要る期日までに金はとても来ないような気がした。下女にそれを投函させた後、彼は黙って床の中へ潜り込みながら、腹の中で云った。
「その時はその時の事だ」
十六
翌日の午後津田は呼び付けられて吉川の前に立った。
「昨日宅へ来たってね」
「ええちょっと御留守へ伺って、奥さんに御目にかかって参りました」
「また病気だそうじゃないか」
「ええ少し……」
「困るね。そうよく病気をしちゃ」
「何実はこの前の続きです」
吉川は少し意外そうな顔をして、今まで使っていた食後の小楊子を口から吐き出した。それから内隠袋を探って莨入を取り出そうとした。津田はすぐ灰皿の上にあった燐寸を擦った。あまり気を利かそうとして急いたものだから、一本目は役に立たないで直ぐ消えた。彼は周章てて二本目を擦って、それを大事そうに吉川の鼻の先へ持って行った。
「何しろ病気なら仕方がない、休んでよく養生したらいいだろう」
津田は礼を云って室を出ようとした。吉川は煙りの間から訊いた。
「佐々木には断ったろうね」
「ええ佐々木さんにもほかの人にも話して、繰り合せをして貰う事にしてあります」