Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
百四十七
「奥さんは何しにいらしったんです」
津田は何気なく答えた。
「そりゃ今話そうと思ってたところだ。――しかし誤解しちゃ困るよ。小林はたしかに来たんだからね。最初に小林が来て、その後へ奥さんが来たんだ。だからちょうど入れ違になった訳だ」
百四十七
お延は夫より自分の方が急き込んでいる事に気がついた。この調子で乗しかかって行ったところで、夫はもう圧し潰されないという見切をつけた時、彼女は自分の破綻を出す前に身を翻がえした。
「そう、そんならそれでもいいわ。小林さんが来たって来なくったって、あたしの知った事じゃないんだから。その代り吉川の奥さんの用事を話して聴かしてちょうだい。無論ただのお見舞でない事はあたしにも判ってるけれども」
「といったところで、大した用事で来た訳でもないんだよ。そんなに期待していると、また聴いてから失望するかも知れないから、ちょっと断っとくがね」
「構いません、失望しても。ただありのままを伺いさえすれば、それで念晴しになるんだから」
「本来が見舞で、用事はつけたりなんだよ、いいかね」
「いいわ、どっちでも」
津田は夫人の齎した温泉行の助言だけをごく淡泊り話した。