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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

四十八

「そんならいいわ。逃げ出しちまうだけだから」

お延はすぐ継子の後を追かけて廊下へ出た。

四十八

そこから見渡した外部の光景も場所柄だけに賑わっていた。裏へ貫を打って取り除しのできるように拵らえた透しの板敷を、絶間なく知らない人が往ったり来たりした。廊下の端に立って、半ば柱に身を靠たせたお延が、継子の姿を見出すまでには多少の時間がかかった。それを向う側に並んでいる売店の前に認めた時、彼女はすぐ下へ降りた。そうして軽く足早に板敷を踏んで、目指す人のいる方へ渡った。

「何を買ってるの」

後から覗き込むようにして訊いたお延の顔と、驚ろいてふり返った継子の顔とが、ほとんど擦れ擦れになって、微笑み合った。

「今困ってるところなのよ。一さんが何かお土産を買ってくれって云うから、見ているんだけれども、あいにく何にもないのよ、あの人の喜びそうなものは」

疳違いをして、男の子の玩具を買おうとした継子は、それからそれへといろいろなものを並べられて、買うには買われず、止すには止されず、弱っているところであった。役者に縁故のある紋などを着けた花簪だの、紙入だの、手拭だのの前に立って、もじもじしていた彼女は、どうしたらよかろうという訴えの眼をお延に向けた。