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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

七十六

けれども叔父のいう通りを信ずる気にはなれなかった。またどうあっても信ずるのは厭であった。

七十六

叔父は面白半分まだいろいろな事を云った。

男が女を得て成仏する通りに、女も男を得て成仏する。しかしそれは結婚前の善男善女に限られた真理である。一度夫婦関係が成立するや否や、真理は急に寝返りを打って、今までとは正反対の事実を我々の眼の前に突きつける。すなわち男は女から離れなければ成仏できなくなる。女も男から離れなければ成仏し悪くなる。今までの牽引力がたちまち反撥性に変化する。そうして、昔から云い習わして来た通り、男はやっぱり男同志、女はどうしても女同志という諺を永久に認めたくなる。つまり人間が陰陽和合の実を挙げるのは、やがて来るべき陰陽不和の理を悟るために過ぎない。……

叔父の言葉のどこまでが藤井の受売で、どこからが自分の考えなのか、またその考えのどこまでが真面目で、どこからが笑談なのか、お延にはよく分らなかった。筆を持つ術を知らない叔父は恐ろしく口の達者な人であった。ちょっとした心棒があると、その上に幾枚でも手製の着物を着せる事のできる人であった。俗にいう警句という種類のものが、いくらでも彼の口から出た。