Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
百十三
だからそのつもりでくれたんでしょうおおかた。心配しないでもいいわ」
津田はお延の指を眺めた。そこには自分の買ってやった宝石がちゃんと光っていた。
百十三
二人はいつになく融け合った。
今までお延の前で体面を保つために武装していた津田の心が吾知らず弛んだ。自分の父が鄙吝らしく彼女の眼に映りはしまいかという掛念、あるいは自分の予期以下に彼女が父の財力を見縊りはしまいかという恐れ、二つのものが原因になって、なるべく京都の方面に曖昧な幕を張り通そうとした警戒が解けた。そうして彼はそれに気づかずにいた。努力もなく意志も働かせずに、彼は自然の力でそこへ押し流されて来た。用心深い彼をそっと持ち上げて、事件がお延のために彼をそこまで運んで来てくれたと同じ事であった。お延にはそれが嬉しかった。改めようとする決心なしに、改たまった夫の態度には自然があった。
同時に津田から見たお延にも、またそれと同様の趣が出た。余事はしばらく問題外に措くとして、結婚後彼らの間には、常に財力に関する妙な暗闘があった。そうしてそれはこう云う因果から来た。普通の人のように富を誇りとしたがる津田は、その点において、自分をなるべく高くお延から評価させるために、父の財産を実際より遥か余計な額に見積ったところを、彼女に向って吹聴した。