Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
あなたの手術はちょうど二十八分かかったのね」
時計の葢を開けたお延は、それを眺めながら精密な時間を云った。津田が手術台の上で俎へ乗せられた魚のように、おとなしく我慢している間、お延はまた彼の見つめなければならなかった天井の上で、時計と睨めっ競でもするように、手術の時間を計っていたのである。
津田は再び訊いた。
「今から宅へ帰ったって仕方がないだろう」
「ええ」
「じゃここで洋食でも取って貰って食ったらいいじゃないか」
「ええ」
お延の返事はいつまで経っても捗々しくなかった。看護婦はとうとう下へ降りて行った。津田は疲れた人が光線の刺戟を避けるような気分で眼をねむった。するとお延が頭の上で、「あなた、あなた」というので、また眼を開かなければならなかった。
「心持が悪いの?」
「いいや」
念を押したお延はすぐ後を云った。
「岡本でよろしくって。いずれそのうち御見舞に上りますからって」
「そうか」
津田は軽い返事をしたなり、また眼をつぶろうとした。するとお延がそうさせなかった。
「あの岡本でね、今日是非芝居へいっしょに来いって云うんですが、行っちゃいけなくって」
気のよく廻る津田の頭に、今朝からのお延の所作が一度に閃めいた。