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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女はかえって微笑した。

「断ったのに是非来いっていうのよ」

「しかし……」

彼はちょっと行きつまった。彼の胸には云うべき事がまだ残っているのに、彼の頭は自分の思わく通り迅速に働らいてくれなかった。

「しかし――断ったのに是非来いなんていうはずがないじゃないか」

「それを云うのよ。岡本もよっぽどの没分暁漢ね」

津田は黙ってしまった。何といって彼女を追究していいか見当がつかなかった。

「あなたまだ何かあたしを疑ぐっていらっしゃるの。あたし厭だわ、あなたからそんなに疑ぐられちゃ」

彼女の眉がさもさも厭そうに動いた。

「疑ぐりゃしないが、何だか変だからさ」

「そう。じゃその変なところを云ってちょうだいな、いくらでも説明するから」

不幸にして津田にはその変なところが明暸に云えなかった。

「やっぱり疑ぐっていらっしゃるのね」

津田ははっきり疑っていないと云わなければ、何だか夫として自分の品格に関わるような気がした。と云って、女から甘く見られるのも、彼にとって少なからざる苦痛であった。二つの我が我を張り合って、彼の心のうちで闘う間、よそ目に見える彼は、比較的冷静であった。

「ああ」