Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
じゃ云っちまうわ。由雄は御察しの通り厳格な人よ。それがどうしたの」
「本当にかい」
「ええ。ずいぶん叔父さんも苦呶いのね」
「じゃこっちでも簡潔に結論を云っちまう。はたして由雄さんが、お前のいう通り厳格な人ならばだ。とうてい悪口の達者なお前には向かないね」
こう云いながら叔父は、そこに黙って坐っている叔母の方を、頷でしゃくって見せた。
「この叔母さんなら、ちょうどお誂らえ向かも知れないがね」
淋しい心持が遠くから来た風のように、不意にお延の胸を撫でた。彼女は急に悲しい気分に囚えられた自分を見て驚ろいた。
「叔父さんはいつでも気楽そうで結構ね」
津田と自分とを、好過ぎるほど仲の好い夫婦と仮定してかかった、調戯半分の叔父の笑談を、ただ座興から来た出鱈目として笑ってしまうには、お延の心にあまり隙があり過ぎた。と云って、その隙を飽くまで取り繕ろって、他人の前に、何一つ不足のない夫を持った妻としての自分を示さなければならないとのみ考えている彼女は、心に感じた通りの何物をも叔父の前に露出する自由をもっていなかった。もう少しで涙が眼の中に溜まろうとしたところを、彼女は瞬きでごまかした。