Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
彼女には自分が津田を精一杯愛し得るという信念があった。同時に、津田から精一杯愛され得るという期待も安心もあった。また叔父の例の悪口が始まったという気が何より先に起ったので、彼女は声を出して笑った。そうして、この悪口はつまり嫉妬から来たのだと一人腹の中で解釈して得意になった。叔母も「自分の若い時の己惚は、もう忘れているんだからね」と云って、彼女に相槌を打ってくれた。……
叔父の前に坐ったお延は自分の後にあるこんな過去を憶い出さない訳に行かなかった。すると「厳格」な津田の妻として、自分が向くとか向かないとかいう下らない彼の笑談のうちに、何か真面目な意味があるのではなかろうかという気さえ起った。
「おれの云った通りじゃないかね。なければ仕合せだ。しかし万一何かあるなら、また今ないにしたところで、これから先ひょっと出て来たなら遠慮なく打ち明けなけりゃいけないよ」
お延は叔父の眼の中に、こうした慈愛の言葉さえ読んだ。
六十三
感傷的の気分を笑に紛らした彼女は、その苦痛から逃れるために、すぐ自分の持って来た話題を叔父叔母の前に切り出した。
「昨日の事は全体どういう意味なの」