Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
けれども間接にどこかでそこに触れて貰いたい様子がありありと見えた。お延は従妹を喜こばせてやりたかった。と云って、後で自分の迷惑になるような責任を持つのは厭であった。
「じゃあたしが引くから、あなた自分でおきめなさい、ね。何でも今あなたのお腹の中で、一番知りたいと思ってる事があるでしょう。それにするのよ、あなたの方で、自分勝手に。よくって」
お延は例の通り継子の机の上に乗っている彼ら夫婦の贈物を取ろうとした。すると継子が急にその手を抑えた。
「厭よ」
お延は手を引込めなかった。
「何が厭なの。いいからちょいとお貸しなさいよ。あなたの嬉しがるのを出して上げるから」
神籤に何の執着もなかったお延は、突然こうして継子と戯れたくなった。それは結婚以前の処女らしい自分を、彼女に憶い起させる良い媒介であった。弱いものの虚を衝くために用いられる腕の力が、彼女を男らしく活溌にした。抑えられた手を跳ね返した彼女は、もう最初の目的を忘れていた。ただ神籤箱を継子の机の上から奪い取りたかった。もしくはそれを言い前に、ただ継子と争いたかった。二人は争った。同時に女性の本能から来るわざとらしい声を憚りなく出して、遊技的な戦いに興を添えた。