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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

眼が一秒で十年以上の手柄をするのは、その時に限るのよ。しかもそんな場合は誰だって生涯にそうたんとありゃしないわ。ことによると生涯に一返も来ないですんでしまうかも分らないわ。だからあたしなんかの眼はまあ盲目同然よ。少なくとも平生は」

「だって延子さんはそういう明るい眼をちゃんと持っていらっしゃるんじゃないの。そんならなぜそれをあたしの場合に使って下さらなかったの」

「使わないんじゃない、使えないのよ」

「だって岡目八目って云うじゃありませんか。傍にいるあなたには、あたしより余計公平に分るはずだわ」

「じゃ継子さんは岡目八目で生涯の運命をきめてしまう気なの」

「そうじゃないけれども、参考にゃなるでしょう。ことに延子さんを信用しているあたしには」

お延はまたしばらく黙っていた。それから少し前よりは改った態度で口を利き出した。

「継子さん、あたし今あなたにお話ししたでしょう、あたしは幸福だって」

「ええ」

「なぜあたしが幸福だかあなた知ってて」

お延はそこで句切をおいた。そうして継子の何かいう前に、すぐ後を継ぎ足した。

「あたしが幸福なのは、ほかに何にも意味はないのよ。ただ自分の眼で自分の夫を択ぶ事ができたからよ。