Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
お延は昨日に違った下女の判切した態度を、さも自分の手柄ででもあるように感じた。
「今日は早かったでしょう」
下女はそれほど早いとも思っていないらしかった。得意なお延の顔を見て、仕方なさそうに、「へえ」と答えたので、お延はまた譲歩した。
「もっと早く帰ろうと思ったんだけれどもね、つい日が短かいもんだから」
自分の脱ぎ棄てた着物をお時に畳ませる時、お延は彼女に訊いた。
「あたしのいない留守に何にも用はなかったろうね」
お時は「いいえ」と答えた。お延は念のためもう一遍問を改めた。
「誰も来やしなかったろうね」
するとお時が急に忘れたものを思い出したように調子高な返事をした。
「あ、いらっしゃいました。あの小林さんとおっしゃる方が」
夫の知人としての小林の名はお延の耳に始めてではなかった。彼女には二三度その人と口を利いた記憶があった。しかし彼女はあまり彼を好いていなかった。彼が夫からはなはだ軽く見られているという事もよく呑み込んでいた。
「何しに来たんだろう」
こんなぞんざいな言葉さえ、つい口先へ出そうになった彼女は、それでも尋常な調子で、お時に訊き返した。
「何か御用でもおありだったの」