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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

「早く好い所へいらっしゃるようになると、結構でございますがね」

「おおかたもうじきでしょう。叔父さんはあんな性急だから。それに継子さんはあたしと違って、ああいう器量好しだしね」

お時は何か云おうとした。お延は下女のお世辞を受けるのが苦痛だったので、すぐ自分でその後をつけた。

「女はどうしても器量が好くないと損ね。いくら悧巧でも、気が利いていても、顔が悪いと男には嫌われるだけね」

「そんな事はございません」

お時が弁護するように強くこういったので、お延はなお自分を主張したくなった。

「本当よ。男はそんなものなのよ」

「でも、それは一時の事で、年を取るとそうは参りますまい」

お延は答えなかった。しかし彼女の自信はそんな弱いものではなかった。

「本当にあたしのような不器量なものは、生れ変ってでも来なくっちゃ仕方がない」

お時は呆れた顔をしてお延を見た。

「奥様が不器量なら、わたくしなんか何といえばいいのでございましょう」

お時の言葉はお世辞でもあり、事実でもあった。両方の度合をよく心得ていたお延は、それで満足して立ち上った。

彼女が外出のため着物を着換えていると、戸外から誰か来たらしい足音がして玄関の号鈴が鳴った。