Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

今月はお父さんからお金を貰わないで生きて行くよ」

「兄さんにそんな事ができて」

お秀の兄を冷笑けるような調子が、すぐ津田の次の言葉を喚び起した。

「できなければ死ぬまでの事さ」

お秀はついにきりりと緊った口元を少し緩めて、白い歯を微かに見せた。津田の頭には、電灯の下で光る厚帯を弄くっているお延の姿が、再び現れた。

「いっそ今までの経済事情を残らずお延に打ち明けてしまおうか」

津田にとってそれほど容易い解決法はなかった。しかし行きがかりから云うと、これほどまた困難な自白はなかった。彼はお延の虚栄心をよく知り抜いていた。それにできるだけの満足を与える事が、また取も直さず彼の虚栄心にほかならなかった。お延の自分に対する信用を、女に大切なその一角において突き崩すのは、自分で自分に打撲傷を与えるようなものであった。お延に気の毒だからという意味よりも、細君の前で自分の器量を下げなければならないというのが彼の大きな苦痛になった。そのくらいの事をと他から笑われるようなこんな小さな場合ですら、彼はすぐ動く気になれなかった。家には現に金がある、お延に対して自己の体面を保つには有余るほどの金がある。