Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
と付け足した。
お秀はこれでもまだ後悔しないのかという顔つきをした。
「兄さんの変った証拠はまだあるんです」
津田は素知らぬ風をした。お秀は遠慮なくその証拠というのを挙げた。
「兄さんは小林さんが兄さんの留守へ来て、嫂さんに何か云やしないかって、先刻から心配しているじゃありませんか」
「煩さいな。心配じゃないって先刻説明したじゃないか」
「でも気になる事はたしかなんでしょう」
「どうでも勝手に解釈するがいい」
「ええ。――どっちでも、とにかく、それが兄さんの変った証拠じゃありませんか」
「馬鹿を云うな」
「いいえ、証拠よ。たしかな証拠よ。兄さんはそれだけ嫂さんを恐れていらっしゃるんです」
津田はふと眼を転じた。そうして枕に頭を載せたまま、下からお秀の顔を覗き込むようにして見た。それから好い恰好をした鼻柱に冷笑の皺を寄せた。この余裕がお秀には全く突然であった。もう一息で懺悔の深谷へ真ッ逆さまに突き落すつもりでいた彼女は、まだ兄の後に平坦な地面が残っているのではなかろうかという疑いを始めて起した。しかし彼女は行けるところまで行かなければならなかった。
「兄さんはついこの間まで小林さんなんかを、まるで鼻の先であしらっていらっしったじゃありませんか。