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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

「素直にも義剛にも、取るにも取らないにも、お前の方でてんから出さないんじゃないか」

「あなたの方でお取りになるとおっしゃらないから、出せないんです」

「こっちから云えば、お前の方で出さないから取らないんだ」

「しかし取るようにして取って下さらなければ、あたしの方だって厭ですもの」

「じゃどうすればいいんだ」

「解ってるじゃありませんか」

三人はしばらく黙っていた。

突然津田が云い出した。

「お延お前お秀に詫まったらどうだ」

お延は呆れたように夫を見た。

「なんで」

「お前さえ詫まったら、持って来たものを出すというつもりなんだろう。お秀の料簡では」

「あたしが詫まるのは何でもないわ。あなたが詫まれとおっしゃるなら、いくらでも詫まるわ。だけど――」

お延はここで訴えの眼をお秀に向けた。お秀はその後を遮った。

「兄さん、あなた何をおっしゃるんです。あたしがいつ嫂さんに詫まって貰いたいと云いました。そんな言がかりを捏造されては、あたしが嫂さんに対して面目なくなるだけじゃありませんか」

沈黙がまた三人の上に落ちた。津田はわざと口を利かなかった。お延には利く必要がなかった。お秀は利く準備をした。