Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
「どうかね」
彼はすぐ胡坐をかいた。津田はむしろ苦しそうな笑いを挨拶の代りにした。何しに来たんだという心持が、顔を見ると共にもう起っていた。
「これだ」と彼は外套の袖を津田に突きつけるようにして見せた。
「ありがとう、お蔭でこの冬も生きて行かれるよ」
小林はお延の前で云ったと同じ言葉を津田の前で繰り返した。しかし津田はお延からそれを聴かされていなかったので、別に皮肉とも思わなかった。
「奥さんが来たろう」
小林はまたこう訊いた。
「来たさ。来るのは当り前じゃないか」
「何か云ってたろう」
津田は「うん」と答えようか、「いいや」と答えようかと思って、少し躊躇した。彼は小林がどんな事をお延に話したか、それを知りたかった。それを彼の口からここで繰り返させさえすれば、自分の答は「うん」だろうが、「いいえ」だろうが、同じ事であった。しかしどっちが成功するかそこはとっさの際にきめる訳に行かなかった。ところがその態度が意外な意味になって小林に反響した。
「奥さんが怒って来たな。きっとそんな事だろうと、僕も思ってたよ」
容易に手がかりを得た津田は、すぐそれに縋りついた。
「君があんまり苛めるからさ」