Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
藤井の叔父や叔母から、そう思われている事は、津田にもほぼ見当がついていた。
「降参し切っているんだから、そう見えたって仕方がないさ」
「そうか。――しかし僕のような正直者には、とても君の真似はできない。君はやッぱりえらい男だ」
「君が正直で僕が偽物なのか。その偽物がまた偉くって正直者は馬鹿なのか。君はいつまたそんな哲学を発明したのかい」
「哲学はよほど前から発明しているんだがね。今度改めてそれを発表しようと云うんだ、朝鮮へ行くについて」
津田の頭に妙な暗示が閃めかされた。
「君旅費はもうできたのか」
「旅費はどうでもできるつもりだがね」
「社の方で出してくれる事にきまったのかい」
「いいや。もう先生から借りる事にしてしまった」
「そうか。そりゃ好い具合だ」
「ちっとも好い具合じゃない。僕はこれでも先生の世話になるのが気の毒でたまらないんだ」
こういう彼は、平気で自分の妹のお金さんを藤井に片づけて貰う男であった。
「いくら僕が恥知らずでも、この上金の事で、先生に迷惑をかけてはすまないからね」
津田は何とも答えなかった。小林は無邪気に相談でもするような調子で云った。
「君どこかに強奪る所はないかね」