Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme
車夫はまた看護婦の命令通り、それを手に持ったまますぐ電車へ乗った。それから教えられた通りの停留所で下りた。そこを少し行って、大通りを例の細い往来へ切れた彼は、何の苦もなくまた名宛の苗字を小綺麗な二階建の一軒の門札に見出した。彼は玄関へかかった。そこで手に持った手紙を取次に出たお時に渡した。
ここまではすべての順序が津田の思い通りに行った。しかしその後には、書面を認める時、まるで彼の頭の中に入っていなかった事実が横わっていた。手紙はすぐお延の手に落ちなかった。
しかし津田の懸念したように、宅にいなかったお延は、彼の懸念したように病院へ出かけたのではなかった。彼女は別に行先を控えていた。しかもそれは際どい機会を旨く利用しようとする敏捷な彼女の手腕を充分に発揮した結果であった。
その日のお延は朝から通例のお延であった。彼女は不断のように起きて、不断のように動いた。津田のいる時と万事変りなく働らいた彼女は、それでも夫の留守から必然的に起る、時間の余裕を持て余すほど楽な午前を過ごした。午飯を食べた後で、彼女は洗湯に行った。病院へ顔を出す前ちょっと綺麗になっておきたい考えのあった彼女は、そこでずいぶん念入に時間を費やした後、晴々した好い心持を湯上りの光沢しい皮膚に包みながら帰って来ると、お時から嘘ではないかと思われる