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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

問題ははたして或雑誌から始まった。月の発行にかかるその雑誌に発表された諸家の恋愛観を読んだお秀の質問は、実をいうとお延にとってそれほど興味のあるものでもなかった。しかしまだ眼を通していない事実を自白した時に、彼女の好奇心が突然起った。彼女はこの抽象的な問題を、どこかで自分の思い通り活かしてやろうと決心した。

彼女はややともすると空論に流れやすい相手の弱点をかなりよく呑み込んでいた。際どい実際問題にこれから飛び込んで行こうとする彼女に、それほど都合の悪い態度はなかった。ただ議論のために議論をされるくらいなら、最初から取り合わない方がよっぽどましだった。それで彼女にはどうしても相手を地面の上に縛りつけておく必要があった。ところが不幸にしてこの場合の相手は、最初からもう地面の上にいなかった。お秀の口にする愛は、津田の愛でも、堀の愛でも、乃至お延、お秀の愛でも何でもなかった。ただ漫然として空裏に飛揚する愛であった。したがってお延の努力は、風船玉のようなお秀の話を、まず下へ引き摺りおろさなければならなかった。

子供がすでに二人もあって、万事自分より世帯染みているお秀が、この意味において、遥かに自分より着実でない事を発見した時に、お延は口ではいはい向うのいう通りを首肯いながら、腹の中では、じれったがった。