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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

そこだけはまあ仕合せよ」

他に向って自分の仕合せと幸福を主張しなければ、わが弱味を外へ現わすようになって、不都合だとばかり考えつけて来たお延は、平生から持ち合せの挨拶をついこの場合にも使ってしまった。そうしてまた行きつまった。芝居に行った翌日、岡本へ行って継子と話をした時用いた言葉を、そのまま繰り返した後で、彼女は相手のお秀であるという事に気がついた。そのお秀は「そこだけが仕合せなら、それでたくさんじゃないか」という顔つきをした。

お延は自分がかりそめにも津田を疑っているという形迹をお秀に示したくなかった。そうかと云って、何事も知らない風を粧って、見す見すお秀から馬鹿にされるのはなお厭だった。したがって応対に非常な呼吸が要った。目的地へ漕ぎつけるまでにはなかなか骨が折れると思った。しかし彼女はとても見込のない無理な努力をしているという事には、ついに気がつかなかった。彼女はまた態度を一変した。

百二十八

彼女は思い切って一足飛びに飛んだ。情実に絡まれた窮屈な云い廻し方を打ちやって、面と向き合ったままお秀に相見しようとした。その代り言葉はどうしても抽象的にならなければならなかった。