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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Lesen Sie 明暗 (めいあん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.590 Zeichen · 645 Bildschirme

Aozora Bunko

佐々木は彼の上役であった。

「どうせ休むなら早い方がいいね。早く養生して早く好くなって、そうしてせっせと働らかなくっちゃ駄目だ」

吉川の言葉はよく彼の気性を現わしていた。

「都合がよければ明日からにしたまえ」

「へえ」

こう云われた津田は否応なしに明日から入院しなければならないような心持がした。

彼の身体が半分戸の外へ出かかった時、彼はまた後から呼びとめられた。

「おい君、お父さんは近頃どうしたね。相変らずお丈夫かね」

ふり返った津田の鼻を葉巻の好い香が急に冒した。

「へえ、ありがとう、お蔭さまで達者でございます」

「大方詩でも作って遊んでるんだろう。気楽で好いね。昨夕も岡本と或所で落ち合って、君のお父さんの噂をしたがね。岡本も羨ましがってたよ。あの男も近頃少し閑暇になったようなもののやっぱり、君のお父さんのようにゃ行かないからね」

津田は自分の父がけっしてこれらの人から羨やましがられているとは思わなかった。もし父の境遇に彼らをおいてやろうというものがあったなら、彼らは苦笑して、少なくとももう十年はこのままにしておいてくれと頼むだろうと考えた。それは固より自分の性格から割り出した津田の観察に過ぎなかった。